イーライリリーの経口GLP-1作動薬オルフォルグリプロン、第3相で血糖制御の優越性
STELLANEWS.LIFE(ステラニュース・ライフ)は、科学技術・医療・ライフサイエンスの分野における研究成果を中立的に伝えるニュースメディアである。今回の記事では、Eli Lilly and Company(Lilly)が開発中の経口GLP-1受容体作動薬オルフォルグリプロン(orforglipron)が第3相試験で良好な結果を示したことを報告する。2つの国際試験で血糖コントロールの優越性が確認され、経口剤としての新しい治療選択肢となる可能性が示された。
- 【要点①】オルフォルグリプロンはACHIEVE-2試験でダパグリフロジンに対してA1C低下効果で優越性を示した。
- 【要点②】ACHIEVE-5試験では、基礎インスリン併用下で追加的なA1C低下を達成した。
- 【要点③】両試験で安全性プロファイルは一貫して良好で、消化器症状は軽度から中等度にとどまった。
2型糖尿病治療の新たな潮流として、経口のグルカゴン様ペプチド-1受容体作動薬(GLP-1 RA)への期待が高まっている。これまでGLP-1 RAは注射剤が主流であったが、オルフォルグリプロンは非ペプチド構造を持つ小分子薬であり、1日1回経口投与が可能である。今回のLillyの報告は、経口GLP-1の有効性を大規模臨床試験で裏付ける重要なエビデンスである。
- 発表元→ Eli Lilly and Company(Lilly)
- 発表日→ 2025年10月15日
- 対象疾患→ 2型糖尿病(Type 2 Diabetes Mellitus, T2DM)
- 試験→ ACHIEVE-2試験(NCT06192108)、ACHIEVE-5試験(NCT06109311)
- 研究デザイン→ ACHIEVE-2:第3相、多施設共同、無作為化、オープンラベル、アクティブコントロール試験。ACHIEVE-5:第3相、二重盲検、プラセボ対照試験。
- 対象→ 血糖コントロールが不十分な成人T2DM患者(A1C 7.0〜10.5%、BMI ≥23kg/m²)。
- 投与→ オルフォルグリプロン3mg、12mg、36mgを1日1回経口投与。初期用量1mgから4週ごとに漸増。
- 主要評価項目→ 40週時点のA1C変化量。
- 主要結果(ACHIEVE-2)→ A1C低下:オルフォルグリプロン群−1.7%(最大) vs ダパグリフロジン群−0.8%(p<0.001)。
- 主要結果(ACHIEVE-5)→ A1C低下:オルフォルグリプロン群−2.1% vs プラセボ群−0.8%(p<0.001)。
- 安全性→ 消化器症状(悪心、下痢)が主で、ほとんど軽度〜中等度。肝毒性シグナルなし。
- 開発背景→ オルフォルグリプロンは中外製薬(Chugai Pharmaceutical Co., Ltd.)が創製し、2018年にLillyがライセンス取得。
- 次のステップ→ 2026年初頭にACHIEVE-4試験結果公表予定。T2DMおよび肥満治療として2026年に承認申請を予定。
AIによる情報のインパクト評価(あくまで参考として受け取ってください):
★★★★★
経口GLP-1作動薬として世界初の第3相成功例の一つであり、注射剤中心の糖尿病治療を再構築する可能性を持つ。利便性と効果の両立という観点で臨床的意義は非常に高い。
参考文献
Lilly’s oral GLP-1, orforglipron, demonstrated superior glycemic control in two successful Phase 3 trials, reconfirming its potential as a foundational treatment in type 2 diabetes
https://investor.lilly.com/news-releases/news-release-details/lillys-oral-glp-1-orforglipron-demonstrated-superior-glycemic
ClinicalTrials.gov:ACHIEVE-2(NCT06192108)、ACHIEVE-5(NCT06109311)
https://clinicaltrials.gov/study/NCT06192108
https://clinicaltrials.gov/study/NCT06109311
Ma X, Liu R, Pratt EJ, et al. Effect of Food Consumption on the Pharmacokinetics, Safety, and Tolerability of Once-Daily Orally Administered Orforglipron (LY3502970). Diabetes Ther. 2024;15(4):819–832.
https://doi.org/10.1007/s13300-024-01554-1
