再生医療においては細胞を効率的に増殖させることが重要である。このたびヒトの血液成分は、動物の血液成分よりも幹細胞を増殖させる効果が高いという報告があった。
イタリアの研究グループが間葉系幹細胞(MSC)の増殖にヒト血小板溶解液(HPL)を用いることについて論文報告した。2022年1月にStem Cell Research & Therapy誌に掲載された。
論文のアウトラインは次の通り。2種類の幹細胞に対するHPLと牛胎児血清(FBS)の効果を比べた35の先行研究を調査。その結果、HPLはFBSよりも幹細胞を速く効率的に増殖させ、特に血小板溶解を誘導するために少なくとも3回凍結および解凍したHPLを使用した場合、より効果的であると分かった。
今後、幹細胞研究でこのような研究が生かされてくる可能性がありそうだ。
参考文献
Palombella S, Perucca Orfei C, Castellini G, Gianola S, Lopa S, Mastrogiacomo M, Moretti M, de Girolamo L. Systematic review and meta-analysis on the use of human platelet lysate for mesenchymal stem cell cultures: comparison with fetal bovine serum and considerations on the production protocol. Stem Cell Res Ther. 2022 Apr 4;13(1):142. doi: 10.1186/s13287-022-02815-1. PMID: 35379348; PMCID: PMC8981660.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35379348/