STELLANEWS.LIFE(ステラニュース・ライフ)は、バイオテクノロジーと医療技術分野における革新と進展を専門的に紹介するメディアである。とりわけ、診断技術とAIの融合は、個別化医療の実現に向けた大きな前進として注目を集めており、がん診断における精度向上は治療選択に直結する重要なテーマである。今回紹介するのは次の通り。
Rocheは、米国食品医薬品局(FDA)より、AIベースの画像解析を搭載した初の計算病理学的コンパニオン診断薬「VENTANA TROP2(EPR20043)RxDx Device」に対し、ブレイクスルーデバイス指定(Breakthrough Device Designation:BDD)を取得した。この診断薬は、非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象とし、トロポニン関連膜タンパク質2(TROP2)の免疫組織化学染色を基に、AIが算出したTROP2スコアにより治療方針を補助する。
- 発表元→Roche
- 発表日→2025年4月29日
- 対象機器→VENTANA TROP2(EPR20043)RxDx Device
- 技術の特徴→免疫組織化学(IHC)とAIベースの画像解析による計算病理アルゴリズムを組み合わせた診断支援システム
- 構成機器→BenchMark ULTRA IHC/ISH装置、Roche Digital Pathologyスキャナー、navify Digital Pathologyシステム
- アルゴリズム提供→AstraZenecaのQuantitative Continuous Scoring(QCS)技術
- 診断対象→以前に治療を受けた進行または転移性の非扁平上皮NSCLCで、治療可能な遺伝子変異を持たない患者
- 目的→DATROWAY(ダトポタマブ デルクステカン-dlnk)による治療が有効な患者の選定
- スコア算出→AIが膜および細胞質の染色強度を評価し、正規化膜比(NMR)を基にTROP2ステータスを分類
