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STELLANEWS.LIFE(ステラニュース・ライフ)は、がん治療における画期的な承認情報や、バイオマーカーに基づく新たな治療選択肢を通じて、臨床現場に大きな影響を与える医薬品の登場を追跡している。
今回は、AbbVieが発表した、抗体薬物複合体(ADC)テリソツズマブ ベドチン(商品名エムレリス)の米国食品医薬品局(FDA)による迅速承認について報告する。
対象は高c-Metタンパク質過剰発現の進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者であり、同薬はこの特定サブタイプにおいて初の治療薬となる。

 

AbbVieは、テリソツズマブ ベドチン(商品名エムレリス)が、局所進行または転移性の高c-Metタンパク質過剰発現を有する非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)成人患者を対象に、FDAの迅速承認を取得したと発表した。
対象は、既に全身療法を受けたことがある患者であり、腫瘍細胞の50%以上に強陽性(3+)のIHC染色が認められることが、治療適応の条件とされている。

本承認は、全奏効率(ORR)および奏効期間(DOR)を評価項目とする第2相LUMINOSITY試験のデータに基づいており、今後の承認継続には確認試験の結果が求められる。
試験では、84例の高c-Met発現患者においてORRは35%、奏効期間の中央値は7.2カ月であった。主な有害事象は末梢神経障害、疲労、食欲減退、末梢性浮腫などであった。

なお、テリソツズマブ ベドチンは、抗c-Met抗体と細胞毒性薬モノメチルアウリスタチンE(MMAE)をリンカーで結合したADCであり、標的細胞に選択的に薬剤を送達する機構を持つ。

 

  • 発表元→AbbVie
  • 発表日→2025年5月14日
  • 対象薬剤→テリソツズマブ ベドチン(商品名エムレリス)
  • 適応症→高c-Metタンパク質過剰発現の局所進行または転移性非扁平上皮NSCLC(既治療例)
  • 承認の種類→FDAによる迅速承認
  • 有効性データ→第2相LUMINOSITY試験でORR 35%、DOR中央値 7.2カ月
  • 安全性情報→主な副作用は末梢神経障害、疲労、食欲減退、浮腫。グレード3以上ではリンパ球減少、血糖値上昇、肝酵素上昇などが確認された
  • 診断薬→RocheのVENTANA MET(SP44)RxDxアッセイが唯一のコンパニオン診断としてFDA承認
  • 今後の展開→TeliMET NSCLC-01試験にて単剤の第3相確認試験を継続中

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執筆/編集/審査監修/AI担当

星 良孝(ほし・よしたか)
ステラ・メディックス代表/ 獣医師 ジャーナリスト。日経BP、エムスリーなどに所属し、医療や健康、バイオなどの分野を取材。

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