STELLANEWS.LIFE(ステラニュース・ライフ)は、医療・科学分野における新たな治療法の開発や疾患理解を深める研究成果を報道する専門メディアである。新薬候補や新技術がもたらす臨床的意義を評価し、読者が科学的進展の背景や今後の可能性を把握できるよう発信している。今回の記事で伝える情報は次の通り。
Bayerは、心房細動(AFib)の治療を目的としたGタンパク質共役内向き整流性カリウムチャネル4(GIRK4)阻害薬「BAY 3670549」の第1相臨床試験を開始した。本試験は、健康成人を対象とした無作為化二重盲検プラセボ対照の群間比較デザインで、薬剤の安全性、忍容性、薬物動態および薬力学的特性を評価する。
- 発表元→Bayer
- 発表日→2025年5月21日
- 研究の背景→AFibは世界で6000万人以上が罹患する最も一般的な持続性不整脈であり、脳卒中や心不全の主要リスク因子でもある
- 研究の目的→GIRK4阻害薬が心房細動の電気活動を制御し、迅速な洞調律回復を実現する可能性を検討する
- 試験デザイン→健康成人を対象とした第1相試験。安全性と忍容性の評価を目的とした用量漸増試験
- 既存治療との比較→現在の標準治療は電気的除細動だが、麻酔や事前準備が必要であり、治療負担が高い
- 治療上の課題→既存の抗不整脈薬は安全性の懸念や禁忌が多く、適用範囲が限定的
- 新規作用機序→GIRK4チャネルは心房の電気的再分極に関与し、AFibの持続に寄与。阻害により回復時間を延長し、正常リズムの回復を促進
- 共同研究→本薬剤はBroad Institute of MIT and Harvardとの戦略的研究提携に基づき開発された
