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Bristol Myers Squibbは、免疫チェックポイント阻害薬であるニボルマブ(商品名オプジーボ)の皮下投与製剤が欧州委員会(EC)から複数の固形がんに対して承認を受けたと発表した。本承認は、CheckMate -67T試験を含む複数の試験において、静脈内製剤と比較して薬物動態および安全性における同等性、ならびに全奏効率に関する有効性が確認されたことに基づいている。皮下投与により、投与時間の短縮や患者の利便性向上が期待されている。
- 発表元→Bristol Myers Squibb
- 発表日→2025年5月28日
- 製剤→ニボルマブ皮下投与製剤(600 mg/バイアル)、ヒトリコンビナントヒアルロニダーゼ(rHuPH20)との併用製剤
- 承認対象→複数の固形がんにおける一次療法、併用療法、維持療法など
- 対象疾患→腎細胞がん(RCC)、メラノーマ、非小細胞肺がん(NSCLC)、頭頸部扁平上皮がん(SCCHN)、尿路上皮がん(UC)、大腸がん(MSI-H/dMMR型)、肝細胞がん(HCC)、食道がん(扁平上皮がん、腺がん)、胃がん
- 試験名称→第3相試験CheckMate -67T
- 研究の手法→皮下投与(Opdivo SC)と静脈内投与(IV Opdivo)の非劣性を薬物動態パラメータと奏効率で比較
- 主な評価項目→薬物動態指標(Cavgd28、Cminss)および全奏効率(ORR)
- 結果→Opdivo SCはIV Opdivoに対して非劣性を示し、奏効率は24%(IV Opdivoは18%)であった
- 安全性→Opdivo SCの安全性プロファイルはIV製剤と一致。重篤な有害事象は28%に発現
- 主な副作用→筋骨格痛(31%)、疲労(20%)、皮膚そう痒(16%)、発疹(15%)、下痢(11%)など
- 臨床的意義→皮下投与による治療は、患者の治療時間短縮と医療資源の有効活用につながる可能性
