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Regeneronは、免疫チェックポイント阻害薬であるセミプリマブ(商品名リブタヨ)を用いた第3相試験C-POSTの詳細な結果を発表した。試験では、手術および術後放射線療法を受けた高リスク皮膚有棘細胞がん(CSCC)患者を対象に、術後補助療法としての有効性を検証。セミプリマブは主要評価項目である無病生存期間(DFS)において統計学的有意かつ臨床的に意義のある改善を示し、局所および遠隔再発率も大幅に低下した。これらの結果は、米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会およびNew England Journal of Medicineにて発表された。
- 発表元→Regeneron Pharmaceuticals
- 発表日→2025年5月31日
- 試験名→第3相試験C-POST
- 対象疾患→手術および放射線療法後の高リスク皮膚有棘細胞がん(CSCC)
- 評価項目→主要評価項目:無病生存期間(DFS)、副次評価項目:局所再発、遠隔再発、全生存期間(OS)
- 主な結果→
・再発または死亡のリスクを68%低下(ハザード比:0.32、p<0.0001)
・局所再発リスクを80%減少
・遠隔再発リスクを65%減少
・2年後のDFS率:セミプリマブ群87%、プラセボ群64% - PD-L1発現との関連→PD-L1の有無にかかわらず同様の効果を示した(≥1%群でHR:0.28、<1%群でHR:0.32)
- 安全性→セミプリマブ群の有害事象発生率91%、グレード3以上の事象24%、治療中止率10%
- 代表的な副作用→疲労、皮膚そう痒、発疹、下痢、関節痛、甲状腺機能低下症など
- 臨床的意義→セミプリマブは術後の再発リスクが高いCSCC患者に対する新たな治療選択肢となる可能性がある
