STELLANEWS.LIFE(ステラニュース・ライフ)は、医療やライフサイエンス分野における重要な研究成果を伝えることに注力するメディアである。革新という言葉が用いられがちな領域において、冷静な視点から研究の意義やデータの重みを解説し、一般読者と専門家双方に価値ある情報提供を目指している。今回紹介するのは次の通り。
Pfizerは、BRAF V600E変異を有する未治療の転移性大腸がん(mCRC)に対して、エンコラフェニブ(商品名ブレフトビ)をセツキシマブ(商品名アービタックス)およびmFOLFOX6(フルオロウラシル、ロイコボリン、オキサリプラチン)と併用する治療法の第3相試験BREAKWATERの結果を発表した。生存期間中央値は併用療法群で30.3カ月に達し、標準療法群の15.1カ月に対して統計学的有意な延長を示した。また、病勢進行または死亡のリスクを47%低減したことも報告された。治療開始前の全生存期間とPFSの双方で主要評価項目を達成しており、BRAF変異陽性大腸がんの一次治療において新たな選択肢となる可能性が示された。
- 発表元→Pfizer
- 発表日→2025年5月30日
- 研究の背景→BRAF V600E変異を有するmCRCは全体の8〜12%を占め、予後不良で標準治療の効果が限定的
- 研究の目的→エンコラフェニブ+セツキシマブ+mFOLFOX6併用療法の有効性と安全性を評価
- 試験のデザイン→無作為化、非盲検、多施設共同の第3相試験で、主要評価項目はORRとPFS
- 結果(全生存期間)→死亡リスクを51%低減(ハザード比0.49、中央値30.3カ月 vs 15.1カ月、p<0.0001)
- 結果(無増悪生存期間)→病勢進行または死亡のリスクを47%低減(ハザード比0.53、中央値12.8カ月 vs 7.1カ月、p<0.0001)
- 奏効率→奏効率は65.7%と標準療法(37.4%)に比して良好
- 副作用→悪心、貧血、下痢、食欲減退、嘔吐、好中球減少、関節痛、皮疹(いずれも30%以上)
- 安全性→重大な副作用は38%、13.8%が治療中止を経験。新たな安全性シグナルは確認されず
- 承認状況→FDAにより2024年12月に迅速承認済。今回のデータは恒久承認の根拠として申請予定
AIによる論文のインパクト評価(あくまで参考として受け取ってください)
★★★★☆(★4つで2番目の評価)
