STELLANEWS.LIFE(ステラニュース・ライフ)は、医薬・バイオサイエンス領域における最新の研究開発や産業提携に注目し、科学的根拠と臨床応用の可能性に基づいた情報を日々配信しているメディアである。今回紹介するのは、がん治療領域における新しい作用機序を持つ経口分子接着剤によるCDK2分解薬に関する提携である。
Gilead SciencesとKymera Therapeuticsは、サイクリン依存性キナーゼ2(CDK2)を標的とする経口分子接着剤(molecular glue degrader:MGD)プログラムの開発と商業化に向けた独占的オプション・ライセンス契約を発表した。
CDK2は、がん細胞の増殖に深く関与するタンパク質であり、従来の阻害剤は同様のタンパク質に対する非選択的な作用が課題となっていた。MGDは、CDK2そのものを細胞内から選択的に除去することを目的としており、副作用の低減と治療効果の向上が期待される。
- 発表元→Gilead SciencesおよびKymera Therapeutics
- 発表日→2025年6月25日
- 提携内容→CDK2を標的とした経口分子接着剤の開発に関する独占的オプション・ライセンス契約
- 技術概要→分子接着剤(MGD)は、阻害ではなく標的タンパク質を細胞から除去する新規作用機序を持つ
- 疾患対象→乳がんを中心とする固形がん。特に既存治療が不十分な症例での活用が期待される
- 契約条件→Kymeraは最大7億5000万ドルの支払いを受ける可能性があり、うち8500万ドルは契約締結時とオプション行使時の支払い。ロイヤリティは販売額に応じた段階的な設定
- 開発体制→Kymeraが研究活動を主導。Gileadがオプションを行使した場合、以降の開発・製造・販売権はGileadが保有
- その他→Gileadは本契約によって2025年度の1株当たり利益(EPS)が0.02〜0.03ドル減少すると見込む
AIによる情報のインパクト評価(あくまで参考として受け取ってください)
★★★★☆(★4つで2番目の評価)
