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協和キリンとKura Oncologyは、急性骨髄性白血病(AML)に対する治療として、メニン阻害薬ziftomenibと7+3療法(シタラビン+ダウノルビシン)の併用療法の有効性と安全性を評価するKOMET-007第1a/1b相試験の最新データを2025年の欧州血液学会(EHA)年次総会で発表した。この研究では、NPM1変異またはKMT2A再構成を有する新規診断AML患者を対象とし、極めて高い奏効率とMRD(measurable residual disease)陰性率を示した。これにより、1次治療としての新たな治療選択肢となる可能性が示唆された。
- 発表元→協和キリン、Kura Oncology
- 発表日→2025年6月12日
- 研究の目的→NPM1変異またはKMT2A再構成を有する新規診断AMLに対するziftomenib併用療法の安全性と有効性の検証
- 試験名→KOMET-007(第1a/1b相試験)
- 治療内容→ziftomenib 600 mgを1日1回経口投与+7+3療法
- 主な結果→
・NPM1変異AMLでCRc率93%(41/44例)、CR率84%、MRD陰性CR率71%(中央値4.7週)
・KMT2A再構成AMLでCRc率89%(24/27例)、CR率74%、MRD陰性CR率88%(中央値4.4週)
・奏効群においてCR期間およびOSは中央値未到達 - 安全性→ziftomenibに関連するグレード3以上の有害事象としては、発熱性好中球減少症(15%)、血小板減少(15%)、貧血(11%)などが確認されたが、重大な用量制限毒性や骨髄抑制の悪化は報告されていない
- 今後の展望→第3相試験KOMET-017(ICおよびNIC)を2025年下期に開始予定。標準治療との比較を通じて承認取得を目指す
AIによる情報のインパクト評価(あくまで参考として受け取ってください)
★★★★☆(★4つで2番目の評価)
ziftomenibは、従来治療では対応が難しかった遺伝子異常を有するAML患者に対して高い効果を示しており、今後の標準治療候補として期待が高まる。ただし、本試験は早期段階のものであり、結果の再現性と長期的な転帰を評価するためには第3相試験の成功が不可欠である。
