STELLANEWS.LIFE(ステラニュース・ライフ)は、医薬品や医療技術に関する世界的な研究成果や規制承認の最新動向を伝えることを目的としたメディアである。革新的な治療法や新たな選択肢が現れるたびに、その臨床的意義や安全性を中立的に解説し、医療現場や社会への影響を考察する。今回紹介するのは、米国食品医薬品局(FDA)が承認した膀胱がん治療用新システム「INLEXZO(一般名ゲムシタビン膀胱内投与システム)」に関する情報である。
Johnson & Johnsonは2025年9月9日、FDAがINLEXZOを承認したと発表した。本剤は、膀胱内に3週間留置して抗がん剤ゲムシタビンを持続的に放出する初の膀胱内投与システムであり、バシルス・カルメット・ゲラン(BCG)不応性非筋層浸潤性膀胱がん(NMIBC)患者の治療を目的としている。従来の治療が奏効せず膀胱全摘術を余儀なくされていた患者に対して、膀胱温存の可能性を広げるものとして注目される。
承認の根拠となった第2b相SunRISe-1試験では、INLEXZO投与患者の82%が完全奏効を示し、そのうち51%が1年以上の持続効果を確認された。投与は外来で数分以内に行え、全身麻酔を必要としない点も利便性の高い特徴である。
一方で、有害事象も報告されている。主なものは尿意頻発、尿路感染、排尿痛、血尿、腎機能関連の検査値異常などであり、24%に重篤な有害事象が認められた。致死的事例も1.2%で確認されているため、適応や投与の際には十分なリスク評価が求められる。
今回の承認はBreakthrough Therapy Designation、Real-Time Oncology Review、Priority Reviewといった迅速化制度を経て実現しており、規制当局からも未充足の医療ニーズに応える治療法として高い優先度が与えられたことが示されている。
- 発表元→Johnson & Johnson
- 発表日→2025年9月9日
- 対象疾患→BCG不応性非筋層浸潤性膀胱がん(NMIBC)
- 治療薬→INLEXZO(一般名ゲムシタビン膀胱内投与システム)
- 臨床試験→SunRISe-1第2b相試験(単群、非盲検)
- 結果→82%が完全奏効、51%が1年以上持続
- 有害事象→尿路感染、尿意頻発、血尿、腎機能異常、24%で重篤な事象、1.2%で致死的事象
- 承認経路→Breakthrough Therapy Designation、Real-Time Oncology Review、Priority Review
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