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Bayerは2025年9月19日、欧州医薬品庁(EMA)のヒト用医薬品委員会(CHMP)が、エリンザネタントを更年期または乳がん補助内分泌療法に関連する中等度から重度の血管運動症状(VMS)の治療薬として承認勧告したと発表した。今後、欧州委員会による最終決定が数カ月以内に下される見通しである。
エリンザネタントは、ニューロキニン1(NK-1)およびニューロキニン3(NK-3)受容体を標的とする世界初の経口薬で、神経系の体温調節異常を是正することによりVMSを軽減すると考えられている。既にオーストラリア、カナダ、英国、スイスで「Lynkuet」という商品名で承認されており、米国を含む他国でも申請中である。
CHMPの勧告は、第3相試験OASIS-1から4の結果に基づく。OASIS-1と2では、エリンザネタント投与群がプラセボ群と比較して4週および12週時点で有意にVMSの頻度と重症度を減少させ、26週まで効果が持続した。OASIS-3では52週にわたる有効性と安全性が確認され、最も多い副作用は頭痛、倦怠感、傾眠であった。さらに、OASIS-4では乳がん補助内分泌療法中の女性を対象にVMSの減少と睡眠改善が示され、これまで治療法がなかった症状への対応策となる可能性が報告された。
- 発表元→Bayer
- 発表日→2025年9月19日
- 対象疾患→更年期関連VMSおよび乳がん補助内分泌療法によるVMS
- 治療候補→エリンザネタント(経口二重ニューロキニン受容体拮抗薬)
- 臨床試験→第3相試験OASIS-1〜4(主要評価項目を全て達成、安全性も概ね良好)
- 副作用→頭痛、倦怠感、傾眠、下痢などが主に報告
- 今後の展開→欧州委員会による最終承認決定待ち、米国など他市場でも審査継続
AIによる情報のインパクト評価(あくまで参考として受け取ってください)
★★★★☆(★4つで2番目の評価)
