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Astellasは、更年期症状に対する非ホルモン治療薬フェゾリネタント(VEOZAH)の実臨床データを報告し、睡眠の質や仕事の生産性改善を含む有効性が実証されたと発表した。今回の記事で伝える情報は次の通り。
- OPTION-VMS第IV相観察研究の予備解析により、VEOZAHが更年期関連血管運動症状(VMS)の苦痛を有意に軽減。
- 主観的および客観的な睡眠指標が統計学的に有意に改善。
- 仕事や日常活動の生産性指標(WPAI-VMS)においても有意な改善を確認。
東京発(2025年10月22日)— Astellasは、非ホルモン治療薬フェゾリネタント(VEOZAH)の実臨床下での有効性と安全性を検証するOPTION-VMS試験の予備結果を発表した。本研究は米国50施設で進行中の第IV相縦断的観察研究であり、更年期血管運動症状(VMS:ホットフラッシュや寝汗など)を有する40~75歳の女性998人を対象としている。解析の結果、フェゾリネタント群では12週時点でVMSの苦痛が有意に軽減し、睡眠の質(主観的・客観的評価)および仕事の生産性も向上した。
- 発表元→ Astellas Pharma Inc.
- 発表日→ 2025年10月22日(東京)
- 対象疾患→ 更年期関連血管運動症状(Vasomotor Symptoms:VMS)
- 研究の背景→ 更年期症状は世界で6億人以上の女性が経験し、生活の質・睡眠・職業生活に影響を与えるが、ホルモン治療に抵抗のある女性も多い。
- 試験デザイン→ 第IV相観察研究(OPTION-VMS、NCT06049797)。実臨床下で非ホルモン治療薬を処方された女性を追跡。
- 主要評価項目→ 12週時点でのMENQOL(更年期特異的QOL尺度)VMSドメインスコア変化。
- 副次評価項目→ PROMIS SD SF 8bによる睡眠障害スコア、アクチグラフィによる睡眠効率・覚醒時間(WASO)変化、WPAI-VMSによる活動および仕事効率の変化。
- 主要結果→ フェゾリネタント群でVMSの苦痛が有意に軽減し、4週目から改善傾向を示した。睡眠効率およびWASOも12週時点で統計学的に有意に改善。仕事や日常活動における生産性(WPAI-VMS指標)も有意に向上。
- 比較群→ SSRI/SNRI群およびその他非ホルモン療法群(ガバペンチン、オキシブチニン)も改善を示したが、睡眠指標(WASO・睡眠効率)はフェゾリネタント群で最も顕著だった。
- 安全性→ 有害事象発現率は低く、既存の臨床試験・市販後データと一致。新たな安全性シグナルは確認されず。
- 臨床的含意→ フェゾリネタントは、睡眠や職業生活の質の向上にも寄与しうる非ホルモン治療薬として、更年期ケアの新しい選択肢を提示。
- 次のステップ→ 最終解析後の完全データ発表を予定。今後、他国での長期リアルワールドデータ収集を拡大。
AIによる情報のインパクト評価(あくまで参考として受け取ってください):
★★★★☆
更年期症状の非ホルモン治療薬としてVEOZAHの実臨床有効性が確認されつつあり、睡眠・生産性・生活の質を総合的に改善する可能性を示す点で社会的意義が高い。
参考文献
Astellas:Astellas Presents Preliminary Real-World VEOZAH(fezolinetant) Data From OPTION-VMS Phase IV Observational Study
https://newsroom.astellas.com/2025-10-22-Astellas-Presents-Preliminary-Real-World-VEOZAHTM-fezolinetant-Data-From-OPTION-VMS-Phase-IV-Observational-Study
ClinicalTrials.gov:OPTION-VMS(NCT06049797)
https://clinicaltrials.gov/study/NCT06049797

