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Modernaは2025年10月22日、サイトメガロウイルス(CMV)感染予防ワクチン候補「mRNA-1647」の第3相試験結果を発表し、主要評価項目を達成できなかったことから、先天性CMVワクチン開発プログラムを中止すると発表した。

  • mRNA-1647の第3相試験で、主要評価項目であるCMV感染予防効果が統計的有意差を達成せず。
  • Modernaは先天性CMVワクチン開発プログラムを中止するが、移植関連CMV再活性化を対象とする第2相試験は継続。
  • 同社の優先開発ポートフォリオ11製品のうち8製品がすでに承認または概念実証(POC)段階に到達している。

Moderna CEOステファン・バンセル氏は、ブログ投稿「Reflecting on Moderna’s Phase 3 CMV Vaccine Readout」で、mRNA-1647の第3相試験が主要評価項目を満たさず、母子感染予防を目的としたCMVワクチン開発を中止する方針を明らかにした。試験は16〜40歳のCMV陰性女性を対象に行われたが、感染予防効果はプラセボ群との差が統計的に有意ではなかったという。

バンセル氏は「この結果は残念であるが、これまで誰も成功していない難しいワクチンターゲットであるCMVに挑戦したこと自体が重要な意義を持つ」とコメントし、今後は骨髄移植患者などの高リスク集団におけるウイルス再活性化抑制効果を第2相試験で引き続き検証すると述べた。

  • 発表元→ Moderna, Inc.(米国・マサチューセッツ州)
  • 発表日→ 2025年10月22日
  • 対象製品→ mRNA-1647(サイトメガロウイルスワクチン候補)
  • 試験内容→ CMV陰性の16〜40歳女性を対象とした第3相有効性試験。
  • 主要評価項目→ CMV初感染予防効果。
  • 結果→ 主要評価項目未達。統計的有意差なし。
  • 開発方針→ 先天性CMVワクチン開発プログラムは中止。移植患者を対象とする適応研究を継続。
  • 事業影響→ 2025年度の業績見通しや2028年の損益分岐目標に影響なし。mRNA-1647は当初から2028年時点でキャッシュフロー赤字と想定されていた。
  • 技術的背景→ CMVは潜伏感染ウイルスであり、「初感染」そのものを防ぐことを目的とする臨床試験は難易度が極めて高いとされる。
  • ポートフォリオ状況→ Modernaの優先開発品目11件のうち、8件が承認済みまたはPOC確立済み(例:mRNA-4157〈がんワクチン〉、mRNA-1403〈ノロウイルス〉など)。
  • CEOコメント→ 「結果は失望であるが、科学的学びは大きい。CMV研究の知見はmRNAプラットフォームの発展に寄与する。」

AIによる情報のインパクト評価(あくまで参考として受け取ってください):

★★★★☆

本件はModernaの感染症領域における戦略的転換点を示すものであり、mRNA技術の限界と可能性の両面を示唆する。先天性CMVという長年の未解決課題に挑戦した結果は、今後のmRNAワクチン研究の方向性に影響を与える可能性がある。

参考文献

Moderna: Reflecting on Moderna’s Phase 3 CMV Vaccine Readout (CEO Stéphane Bancel, Oct 22, 2025)
https://www.modernatx.com/en-US/media-center/all-media/blogs/phase-3-cmv-vaccine-readout-reflections

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