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ジョンソン・エンド・ジョンソン(Johnson & Johnson)は、尋常性乾癬の患者を対象とした第3相試験「ICONIC-TOTAL」の52週データを発表し、経口ペプチド製剤イコトロキンラ(icotrokinra)の高い皮膚クリアランス率と良好な安全性を確認した。今回の記事で伝える情報は次の通り。

  • 【要点①】イコトロキンラは、頭皮および性器などの難治性部位で高い皮膚クリアランスを示した。
  • 【要点②】全体の約67%が24週時点で「ほぼ治癒」または「完全治癒」に達し、52週まで維持された。
  • 【要点③】安全性プロファイルは安定しており、新たな安全性シグナルは認められなかった。

イコトロキンラは、インターロイキン23(IL-23)受容体を標的とする初の内服ペプチドである。ICONIC-TOTAL試験では、頭皮、性器、手足などの高影響部位を含む中等度から重度の尋常性乾癬患者を対象に、その有効性と安全性が評価された。52週時点で、頭皮乾癬患者の72%、性器乾癬患者の85%が、それぞれ部位特異的評価で「ほぼ治癒」または「完全治癒」と判定された。一方で、有害事象および重篤な有害事象の発現率は16週時と同等であり、新たな懸念は報告されなかった。

  • 発表元→ Johnson & Johnson
  • 発表日→ 2025年10月24日
  • 対象疾患→ 尋常性乾癬(plaque psoriasis)
  • 研究の背景→ 頭皮や性器などの部位は治療が難しく、従来の外用療法や注射剤では満足な効果が得にくい。
  • 試験デザイン→ 第3相試験(ICONIC-TOTAL)。多施設共同・無作為化・二重盲検・プラセボ対照。
  • 一次エンドポイント→ Investigator’s Global Assessment(IGA)0/1達成率(統計学的有意に改善)
  • 二次エンドポイント→ 特殊部位別のIGAスコア(頭皮、性器、手足)
  • 主要結果→ 頭皮部位では72%、性器部位では85%がIGA 0/1を達成。全体で67%が52週時点でも効果を維持。
  • 安全性→ 有害事象・重篤事象の発現率は16週時と同等で、新たな安全性シグナルなし。
  • 臨床的含意→ 難治性乾癬の新たな内服治療選択肢となる可能性。
  • 制限事項→ 52週時点までのデータであり、長期的な安全性や実臨床での有効性は今後の検証が必要。
  • 次のステップ→ 他の疾患(乾癬性関節炎、潰瘍性大腸炎、クローン病)への応用を含む開発継続。

AIによる情報のインパクト評価(あくまで参考として受け取ってください):

★★★★☆

尋常性乾癬に対する内服の標的治療として注目度が高いが、長期安全性の評価が今後の課題である。

参考文献

Johnson & Johnson「Icotrokinra long-term results affirm promise of targeted oral peptide with high rates of durable skin clearance and favorable safety profile in difficult-to-treat scalp and genital psoriasis」
https://www.jnj.com/media-center/press-releases/icotrokinra-long-term-results-affirm-promise-of-targeted-oral-peptide-with-high-rates-of-durable-skin-clearance-and-favorable-safety-profile-in-difficult-to-treat-scalp-and-genital-psoriasis

ClinicalTrials.gov:ICONIC-TOTAL(NCT06095102)
https://classic.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT06095102

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