犬の副腎機能検査の各検査項目は副腎皮質機能亢進症の診断に貢献するか。
副腎機能を調べる検査値から犬の副腎皮質機能亢進症、下垂体依存性副腎皮質機能亢進症(クッシング病)、機能的副腎皮質腫瘍を予測できるのか検討した。
検査値は次の各検査項目、それに基づく計算値について検討対象にしている。副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)刺激試験(ACTHST)、低用量デキサメタゾン抑制試験(LDDST)、血清コルチゾール濃度のベースライン値(BC)。ACTH刺激後のコルチゾール(PC)とベースライン値との差(ΔACTHC)、デキサメタゾン投与4時間後のコルチゾール(4HC)、そのベースラインとの差(Δ4C)、あるいは8時間後と4時間後の差(Δ8C)。
研究グループはほとんどの検査値は診断価値は小さいと指摘するが、ACTH刺激試験または低用量デキサメタゾン抑制試験で陽性と判断された犬においてはΔACTHCとΔ4Cが副腎皮質腫瘍の除外には意味を持つ可能性があると結論づけている。
2020年8月米国、カナダ研究。
J.A. Jaffey, R.S. Hess, C.R. Webster, S.L. Blois, E.T. Hostnik, R.M. Heilmann, C. Jacobs, J.M. Steiner, C.E. Reusch, E. Rogers, A. Royal, T. Piech, C. Musella, L. Carvalho, M.J. Fink, G.E. Motta, S.N. Kilkucki, A. Cigarro, F.S. Roedler, T. Seidel, A.E. DeClue,Diagnostic contribution of individual components of adrenal function tests to diagnose canine hyperadrenocorticism,The Veterinary Journal,Volume 263,2020,105520,ISSN 1090-0233,
https://doi.org/10.1016/j.tvjl.2020.105520.