- 発表日→2024年6月。
- 掲載誌→Animal Nutrition。
- 研究の主旨→動物のタンパク質摂取量の変化が、成長期の豚の腸内微生物群と発酵代謝を時間依存的に調節し、食物の栄養効率に変化を及ぼすことを示す。
- 研究内容→高タンパク質(HP, 21.5%粗タンパク質)食と低タンパク質(LP, 15.5%粗タンパク質)食を28日間摂取させた結果の比較。
- LP食の影響→血漿中の尿素窒素濃度の低下、乾燥物、総エネルギー、粗タンパク質の全消化管消化率の低下。尿窒素損失、総窒素損失、日々の窒素保持量がHP食に比べて低い。窒素保持量と窒素摂取量の比率が高い。
- HP食の影響→糞中の総短鎖脂肪酸(SCFA)濃度およびプロピオン酸、ブチレート、総SCFA濃度の増加。
- 微生物群の変化→HP食群ではSCFA生成菌(ルミノコッカス、ラクトバシラス、プレボテラなど)の豊富さが増加。LP食ではプロバイオティクス(ビフィドバクテリウム、バクテロイデスS24-7、リケネラ)が豊富で、血漿中のエンドトキシン含有量の低下に寄与。
- 微生物群の違い→28日目に顕著に現れ、14日目には現れなかった。微生物群のシンプソン指数およびシャノン指数の違い、クラスタリングパターンも28日目にのみ観察。
- 結論→LP食は時間依存的に腸の健康を向上させるプロバイオティクスを増加させ、SCFA生成菌を減少させ、栄養の消化吸収能力を低下させる可能性がある。
参考文献
ScienceDirect, 育成豚における低タンパク質食の影響:微生物群と栄養効率の変化, 2024年6月