自由生活の動物と飼育されている動物における新型コロナウイルス(SARS CoV-2)の存在の調査についての研究が報告されている。抗SARS CoV-2抗体とウイルスRNAの存在を確認。2020年6月から2021年2月まで、自由生活のイノシシ(Sus scrofa)、アカギツネ(Vulpes vulpes)、ジャッカル(Canis aureus)422頭の血液、筋肉抽出物、糞便サンプルのほか、111羽の黄脚カモメ(Larus michahellis)の血液と股間のスワブ、32頭の動物園飼育の動物の糞便サンプルを検査。市販のELISA(ID.Vet,フランス)と,確認試験として,サロゲートウイルス中和試験(sVNT,GenScript,オランダ)を実施。糞便サンプルは、リアルタイムRT-PCRプロトコルによりウイルスRNAの存在を検査。

ELISA法による陽性は533例中15例(2.8%)。イノシシ(3.9%)、アカギツネ(2.9%)、ジャッカル(4.6%)。これらの陽性反応はsVNTでは確認されなかった。ウイルスRNAも検出されなかった。

結論として、調査期間中(COVID-19第2波)にスピルオーバーは発生せず。血清学的検査のための野生動物のサンプルの特徴については、さらなる調査が必要と指摘。

2021年5月、クロアチア研究。

Jemeršić L, Lojkić I, Krešić N, Keros T, Zelenika TA, Jurinović L, Skok D, Bata I, Boras J, Habrun B, Brnić D. Investigating the Presence of SARS CoV-2 in Free-Living and Captive Animals. Pathogens. 2021 May 21;10(6):635. doi: 10.3390/pathogens10060635. PMID: 34064271.

獣医学

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星 良孝(ほし・よしたか)
ステラ・メディックス代表/ 獣医師 ジャーナリスト。日経BP、エムスリーなどに所属し、医療や健康、バイオなどの分野を取材。

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