新型コロナワクチン集団接種について既存の戦略とガイドラインについてのシステマティックレビューが報告されている。集団ワクチン接種について、世界的な集団ワクチン接種の最初の3カ月である2021年3月1日までに入手可能なすべての英語のガイドラインと研究を統合。

大規模な集団接種は、2020年12月中旬に欧州、中東、北米で本格化。2021年2月末までに、イスラエルは人口の80%以上にワクチンを接種。迅速な実施のモデルを提示。政府と医療従事者が協力し、リソースを十分に活用した上で、ハイレベルな政治的コミットメントを行ったことによるものとされるという。

早期の進展にもかかわらず、100カ国以上がまだワクチン接種を開始していない。世界保健機関(WHO)は、大規模なワクチン接種政策のためのフレームワークを作成している。ワクチン展開のための国家計画が公開されているものは少なく、ほとんどが高所得環境でのもの。大量接種の国別ガイドラインを普及させることは、各国が独自の戦略を策定する際の助けとなると指摘。

ワクチンデリバリーの最も重要な側面の1つは、全人口に対するワクチンの公平なアクセスと、罹患率や死亡率を減らすための脆弱な集団へのワクチン接種と説明。イスラエルは、人口の大部分にワクチンを届けることに成功したが、裕福で資源も豊富な上に人口も少ない国。同国でもパレスチナの人々にも広げられるかは、依然として課題になっているとする。

ほとんどの国では、スポーツ会場やその他の娯楽施設なども含めた公共スペースを迅速に予防接種の拠点に変えている。病院、診療所、礼拝所、老人ホームなども予防接種の場として提案されているとする。大規模な会場の利点は、駐車スペースが確保できることや、大人数を収容できることなど。有害事象のモニタリングを容易にするために、1回目の接種はクリニックで行い、2回目の接種にはカタールが利用するドライブスルー式の駐車場を利用する選択肢も議論されている。英国とニュージーランドの方針では、オンラインのボランティア登録を利用し、ワクチン提供に必要なスタッフを増やすためのリクルートの枠組みを提供している。英国の方針では、ロジスティックを担当する軍人ボランティアや、駐車場などでガイドやアシスタントを担当する訓練を受けていない民間人ボランティアなど、ボランティアが担えるさまざまな役割についても詳しく説明している。

コストも課題だが、報告が少ないという。ニュージーランドでは、ワクチン接種にかかる総コストは6600万ドル(4800万米ドル)と推定されている一方、レバノンでは、ワクチンの配備にかかるコストは1600万米ドルと予算化されているという。レバノンでの推定コストには、ワクチン接種に必要な供給、トレーニング、コールドチェーン、その他のインフラの見積もりが含まれている。これには、ワクチン自体のコストは含まれていない。

ワクチンの全体的な安全性が確認されているとも指摘。アナフィラキシーはまれで、米国の大規模なワクチン接種集団における発生率は0.001%未満と示されているとする。ワクチン接種後に臨床医を訪れた人からの有害事象の報告の電子記録を調べたところ、有害事象の頻度は、臨床試験などのアクティブサーベイランスを使ったシステムと比べてはるかに低いとも説明。米国では、1300万人以上のワクチン接種者を対象とした有害事象の全国的なパッシブ・サーベイランス・システムで、有害事象の発生率は0.05%となったという。重篤な有害事象の真の発生率は、適切な統計的検出力を持つ研究と大規模なメタ分析によって決定される必要があると付記している。

ワクチン接種率が低いことに関連する要因は、若年層、女性、黒人集団。受け入れ率の高さは、所得や教育レベルの高さと関連するとの研究も。

Hasan T, Beardsley J, Marais BJ, Nguyen TA, Fox GJ. The Implementation of Mass-Vaccination against SARS-CoV-2: A Systematic Review of Existing Strategies and Guidelines. Vaccines (Basel). 2021 Apr 1;9(4):326. doi: 10.3390/vaccines9040326. PMID: 33915829; PMCID: PMC8066252.

新型コロナウイルス感染症

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執筆/編集/審査監修/AI担当

星 良孝(ほし・よしたか)
ステラ・メディックス代表/ 獣医師 ジャーナリスト。日経BP、エムスリーなどに所属し、医療や健康、バイオなどの分野を取材。

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