新型コロナウイルスのエピトープ選抜からワクチン設計へ。
新型コロナウイルスは、エピトープが、HLA(ヒト白血球抗原)のクラスI分子とクラスII分子に結合し、T細胞に対して提示される必要がある。
これらHLAクラスI分子とHLAクラスII分子に結合するエピトープを予測。1万1897種類のHLAクラスI分子の候補ペプチド、8046種類のHLAクラスII分子の候補ペプチドを同定。特に幅広く結合すると評価されたのは、新型コロナウイルスのオープンリーディングフレーム(ORF)の13種類。これらのペプチドは欧米、アジアの人口の99%に対応すると予測された。
新型コロナウイルスの予測されるペプチドとHLAクラスI分子のペアから、別のコロナウイルスから得られたViPRデータベースの既に報告されているデータと374ペアがマッチ。うち333ペアがHLA結合アッセイで結合を確認。予測が裏打ちされた。
さらに健常人ドナーの末梢血単核細胞の特異的CD8+T細胞によりこれらエピトープは認識されて免疫反応を引き出すとも確認。
バイオインフォマティクスのプラットフォームによって、有望なエピトープを見極める手法が有効。ワクチンの設計戦略につながると説明。
2020年8月米国研究。
Poran A, Harjanto D, Malloy M, et al. Sequence-based prediction of SARS-CoV-2 vaccine targets using a mass spectrometry-based bioinformatics predictor identifies immunogenic T cell epitopes. Genome Med. 2020;12(1):70. Published 2020 Aug 13. doi:10.1186/s13073-020-00767-w