英国の歯科医師らが2022年11月17日、YouTubeで根管治療のリスクを論じた動画の品質を調査し、その結果を報告した。これは歯科分野の専門誌であるJournal of Endodonticsに掲載された。
根管治療は痛んだり感染を起こしたりした歯を抜かずに、内部の組織を取り除いたり消毒したりして、詰め物をする治療。これで歯の悪化を防ぐ。
論文の要点は次のようになっている。
YouTubeにアップされている根管治療のリスクに関する動画を評価し検討。全体的なビデオの質はあまり良くなく平均スコアは2.20と説明。最も質の高い動画は政府系団体が作ったもので平均3.00点だが、あまり見られていない。最も質の悪いビデオは、医師でない人やニュースグループが作ったもので平均スコアは1.5だったがより多くの人が見ていた。科医師は根管治療について知ってもらうために、より良いビデオを作る必要があると指摘する。
論文は以上のように説明している。
YouTubeでは多くの専門的な情報が増えているが、専門的な情報はそのまま出せば理解しづらくなり、逆に、かみ砕こうとすると、専門性を損なう分だけ、正確さをどうしても書く場合がある。どのようなバランスで情報を出せばよいかは、情報発信においては大きな課題だと考えられる。
今回はYouTubeでの情報発信だったが、そのほかのウェブサイトでの情報発信も、このSTELLNEWS.LIFEを含めて共通の問題である。継続的に情報の出し方についても研究は重要であり、それはある種の公衆衛生学の分野に関わる問題なのだろうと見える。
参考文献
McLean S, Cook N, Rovira-Wilde A, Patel S, Kanagasingam S. Evaluating YouTube as a Patient Information Source for the Risks of Root Canal Treatment. J Endod. 2023 Feb;49(2):155-161. doi: 10.1016/j.joen.2022.09.003. Epub 2022 Dec 13. PMID: 36526106.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36526106/