WHOOP Incの研究グループは、ウエアラブル技術を活用して心血管系信号を継続的に測定し、ストレスのマーカーとしての可能性を調査。自由な生活環境における身体活動や高ストレス作業中の心拍数および心拍変動逸脱の持続時間と程度について分析している。

ストレスは様々な疾患の進行に重要な役割を果たすが、ストレスの継続的なモニタリングは依然として課題となる。今回の研究の目的は、ウエアラブルデバイスによって心血管系の反応を分析することで、ストレスレベルに関する貴重な洞察を提供できるかどうかを検討することである。

サーカディアンリズムと身体活動への反応を解き明かす

この研究では、異なる強度のランニング中に心拍数と心拍変動をモニターし、明確なパターンを特定。心拍数は、中程度の運動や激しい運動では180~210分まで上昇したままであったが、軽い運動では変化しないか低下したままだった。同様に、心拍数の変動は、中程度の運動や激しい運動の後、少なくとも300分間にわたって減少したが、軽い運動では大きな変化は見られなかった。

高ストレス労働の影響を評価する

研究グループは、高ストレス作業時の心血管系反応についても調査。活動中および活動後30分までの心拍数の上昇が観察された。心拍変動は、高ストレス作業中に低下する傾向があり、活動後90~300分後に有意に低下した。

意味合いとストレスマネジメント

今回の調査結果は、現実の状況下でストレスフルな出来事を定量化し評価するウエアラブルの可能性を強調するもの。このデータは、フィードバックを提供し、個人がストレスを効果的に管理できるようにサポートするために活用することができる。さまざまな活動が心血管系反応に与える影響を理解することで、個人はウエルビーイングを優先するために、情報に基づいた決定を下すことができる。

参考文献

Presby DM, Jasinski SR, Capodilupo ER (2023) Wearable derived cardiovascular responses to stressors in free-living conditions. PLoS ONE 18(6): e0285332. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0285332

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執筆/編集/審査監修/AI担当

星 良孝(ほし・よしたか)
ステラ・メディックス代表/ 獣医師 ジャーナリスト。日経BP、エムスリーなどに所属し、医療や健康、バイオなどの分野を取材。

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