性的虐待を受けた子供を治療するための非言語コミュニケーションゲームは、当事者が性的虐待の状況を自らコントロールすることを可能にして、性的虐待の経験を開示することへの障壁を減らすことができるツールとしてセラピストからおおむね受け入れられそうだという。
 オランダ、ユトレヒト大学ならびにフォンテス応用科学大学の研究グループがモバイルヘルス専門誌『JMIR Serious Games』で2021年8月に発表した。

性的虐待治療のためのシリアスゲーム

 性的虐待の経験をセラピーで話すことは、子どもや青年にとって難しい。その理由として考えられるのは、状況を説明するためのボキャブラリーが不足していることや、性的虐待に伴う羞恥心、恐怖心、自責の念などだ。

「Vil Du?!」。これはオランダ語で「(それについて)話したい?」は、子どもたちが性的虐待の経験を打ち明けるために開発されたシリアスゲームである。Vil Du?! は非言語的コミュニケーションゲームで、子どもたちは自分に起こったことをセラピストに見せることができる。
 
 このたび研究グループは、Vil Du?!に関する探索的評価研究を実施し、性的虐待の被害者を対象としたセラピーにおいて、(1)ゲームのどのような要素が有効であるか、(2)ゲームの受容性をセラピストがどのように評価しているかを検証した。セラピスト達は、Vil Du?の使用に関する23のウェブベースのアンケートに回答した。さらに、10人のセラピストに半構造化インタビューが行われ、データは、既報の段階的ガイドラインに従って「NVivo」で分析された。 

障壁を取り除くためのツール

 セラピスト達はVil Du?!の有効性について、子どもが状況をコントロールできるようにでき、また、子供たちがセラピストと話したり目を合わせたりする必要がないため、情報開示の障壁を減らすことができるといった様々な機能的要素を挙げた。Vil Du?!の受容性については、肯定的な評価が多く見られた。

 例えば、Vil Du?! を使用することで、時間を有効に使うことができ、患者にとっても、治療の過程で直面する困難が少なくなるかもしれないとの指摘があった。セラピストによると、確かにVil Duを使うと、ほとんどの患者が緊張を解き、ネガティブな感情よりもポジティブ(またはニュートラル)な感情を持つようになるそうである。

 検証の結果、Vil Du?!の最も重要な要素は、子どもたちが性的虐待の経験をコントロールできるようにすることと、性的虐待の経験を開示することへの障壁を減らすこと。クライアントだけでなくセラピストにも受け入れられていることが判明した。

games.jmir.org

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星 良孝(ほし・よしたか)
ステラ・メディックス代表/ 獣医師 ジャーナリスト。日経BP、エムスリーなどに所属し、医療や健康、バイオなどの分野を取材。

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