e-Healthにおけるゲーミフィケーションのシステマティックレビューが2017年に報告されている。

ビジネス、マーケティング、e-ラーニングなどの多くの分野でゲーミフィケーションの可能性が活用され、デジタルヘルスケアの分野でもこの新しいトレンドの活用が始まっていると紹介。複数の文献から合計46件の研究を検討。選ばれた論文の大半は、健康とウェルネスの文脈におけるゲーミフィケーションとシリアスゲームを報告し、特に慢性疾患のリハビリ、身体活動、メンタルヘルスに関連するが目立ったとする。

ゲーミフィケーションが大規模に導入され始めたのは、2010年の後半からでで、最初に文書化された使用例は2008年にさかのぼり、Gabe Zichermannの造語「funware」からと紹介している。シリアスゲームは、非娯楽的な目的のために設計されたゲームで、経済、教育、健康、産業、軍事、政治などの「シリアスな分野」に焦点を当てたものとなる。定義には論争があった。最も広く普及しているシリアスゲームの定義は、マイケルとストークが示した、「娯楽、楽しみ、楽しさを第一の目的としないゲーム」または「教育、訓練、行動の変化をもたらすと同時にプレイヤーを楽しませるように設計されたゲーム」とされているという。ゲーミフィケーションは、活動をより楽しいものにする一方で、やる気をなくすと思われるタスクに人々が長期的に関与することを保証する。二重の改善を約束するものと位置づけられているという。

「M2 Research」の予測によると、ゲーミフィケーション市場は2016年に28.3億ドルの収益。Pew Research Centerが実施した調査では、調査対象者の53%が、2020年までにゲームの仕組みが日常生活に組み込まれるようになると考えているとしており、別の調査によると、2020年までに54億4,882万ドルに達すると推定されていると指摘する。

ゲーミフィケーションをデジタル・ヘルスケア業界に適用することに大きな関心が寄せられ、関心の高まりは、医療資源へのアクセスの不公平さ、治療のアドヒアランスの欠如、医療費の増加が背景にあるという。

ゲーミフィケーションアプリとシリアスゲームの両方において、e-Healthで最も繰り返し研究されている健康トピックは、慢性疾患の管理/リハビリテーション。これらの健康状態には、がん、アルツハイマー病、脳卒中、肥満などという。

身体活動を促進するためのシリアスゲームのデザインに焦点を当てたもの、メンタルヘルス関連のアプリケーションに利用することに焦点を当てたもの、栄養学に関連したものなどがある。

e-Healthにおけるゲーミフィケーションへの関心の高まりは、2014年の初めに始まったばかりだが、現在のシリアスゲームの波は2002年までに多くの研究者には検討されていたとしている。最も頻繁に研究された健康領域は、慢性疾患管理とリハビリテーションとあらためて指摘。精神障害に苦しむ人々のためのものは不安と注意欠陥多動症に集中。食習慣や衛生習慣を変えたり、投薬コースの完了、運動習慣の維持、健康的な食事の継続を目指したりするものがあったとする。

ゲーミフィケーションされたツールやプラットフォームを利用することで、これらの活動はより楽しく、継続しやすくすることになるという。不安、ストレス、うつなどのメンタルヘルスの問題や障害を抱える患者を支援する手段にもなっている。

ゲーム化されたe-ヘルスアプリケーションやシリアスゲームには、数多くのゲームメカニズムが組み込まれているとする。最も頻繁に使用されているゲーミフィケーションの要素としては、フィードバック、報酬、進行、ソーシャル機能という。

主な課題の1つは、アプリケーションのユーザーにするゲーミフィケーションの効果の長期的な実行可能性に関するものとしている。

主な利点については、ユーザーの定期的な関与を確保し、没入感を高めることとする。外発的な動機付け(報酬、フィードバック)を提供するだけでなく、ユーザーが満足感、関連性、自尊心などのポジティブな感情状態を経験することを目的とすると説明する。ユーザーの行動にポジティブな変化が誘発されて、全体的な健康とウェルネスに有益となると指摘している。

2017年7月、モロッコ、スペイン総説。

Sardi L, Idri A, Fernández-Alemán JL. A systematic review of gamification in e-Health. J Biomed Inform. 2017 Jul;71:31-48. doi: 10.1016/j.jbi.2017.05.011. Epub 2017 May 20. PMID: 28536062.

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執筆/編集/審査監修/AI担当

星 良孝(ほし・よしたか)
ステラ・メディックス代表/ 獣医師 ジャーナリスト。日経BP、エムスリーなどに所属し、医療や健康、バイオなどの分野を取材。

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