ヤンセン社は2023年2月16日、高度選択性ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤であるニラパリブ(商品名ゼジューラ)とアビラテロン酢酸塩(AAP、同ザイティガ)+プレドニゾン(ステロイドの一種)の併用が、BRCA変異陽性の転移性去勢抵抗性前立腺がんの転帰を改善することを示した第3相MAGNITUDE試験の最新データを発表した。

プレスリリースの要点は次のようになる。

同試験は合計1028人が参加し、併用療法によって、BRCA変異を含む、DNA修復経路の一つ相同組換え修復(HRR)関連遺伝子変異の陽性集団において、症状進行までの期間(TSP)が有意に延長し、細胞毒性化学療法開始までの期間(TCC)が改善することが実証された。有害事象は、貧血、高血圧、便秘。

HRR関連遺伝子の変異のないグループでは併用による改善は見られなかった。

これは同日開催された米国臨床腫瘍学会で発表されたもの。MAGNITUDE試験は現在も進行中。

以上が、プレスリリースからの情報である。

転移性去勢抵抗性前立腺がんは、治療が難しく、新しい治療薬の開発が活発な病気の一つと言っていい。従来ない、薬の登場により、これまでに治療が難しかった人たちの治療が可能になってきている。今後、前立腺がんの治療効果の底上げにつながることが期待されそうだ。

参考文献

Janssen Presents Updated Data Demonstrating Improved Outcomes from the Use of Niraparib in Combination with Abiraterone Acetate Plus Prednisone as a First-Line Therapy in Patients with BRCA-Positive Metastatic Castration-Resistant Prostate Cancer
https://www.jnj.com/janssen-presents-updated-data-demonstrating-improved-outcomes-from-the-use-of-niraparib-in-combination-with-abiraterone-acetate-plus-prednisone-as-a-first-line-therapy-in-patients-with-brca-positive-metastatic-castration-resistant-prostate-cancer

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執筆/編集/審査監修/AI担当

星 良孝(ほし・よしたか)
ステラ・メディックス代表/ 獣医師 ジャーナリスト。日経BP、エムスリーなどに所属し、医療や健康、バイオなどの分野を取材。

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