20年間の分析により、製造業者から提出されたデータの品質に改善が見られないことが明らかになった。

研究概要

NICE(英国国立医療技術評価機構)がNHS(国民健康サービス)での技術利用推奨のための意思決定に用いる証拠の品質は、半数以上のケースで不十分であった。2000年から2019年にかけての健康技術評価におけるデータ品質は一貫して低く、その期間中に改善は見られなかった。

NICEの役割

NICEは、新規および既存の技術の臨床的及び費用効果に関してNHSにアドバイスを提供する。このアドバイスは、独立した技術評価者の報告や、コンサルティング、臨床、NHSの委託、患者の専門家からの助言に基づいている。

研究の詳細

単一技術評価(STAs)では、一つの製品、デバイス、または技術についての品質の生活証拠と比較臨床証拠も抽出された。これらは通常、新しい薬や適応症に関わるものである。

品質は、良好(2点)、可受(1点)、不良(0点)、不適切(−1点)でスコアリングされ、偏見を最小限に抑えるために研究チーム全員による査読が行われた。

合計で409件の技術評価の証拠が分析され、これには104件の複数技術評価(MTA)と305件のSTAsが含まれた。評価には非医薬品製品25件、医療機器14件、その他の治療法6件、手術法5件、薬剤384件が含まれていた。

全評価の2/3で、証拠の全体的な品質が不良または不適切と判断され、STAsの約4割で比較証拠の品質が不良、17%で不適切とされた。生活の質のデータの品質も44%で不良、15%で不適切と評価された。

製造業者の提出した全評価の臨床試験の半数以上が品質不良または不適切と評価され、臨床試験が十分に行われ、証拠が包括的であっても、比較対象がNHSのコンテキストでの意思決定に不適切なことが示された。

参考文献

Poor quality clinical data informing NICE decisions on treatments in over half of cases

Published: 14/02/2024 in BMJ Open

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執筆/編集/審査監修/AI担当

星 良孝(ほし・よしたか)
ステラ・メディックス代表/ 獣医師 ジャーナリスト。日経BP、エムスリーなどに所属し、医療や健康、バイオなどの分野を取材。

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