新型コロナ収束後も外来受診は回復せず ― 東京慈恵医大が全国調査で明らかに

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東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 臨床疫学研究部の青木拓也准教授と松島雅人教授らの研究チームは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック後における日本人の「受療行動」の変化を全国規模で調査した。その結果、パンデミック期に大きく減少した診療所・一般病院への受診は、収束後も完全には回復せず、パンデミック前の約6割にとどまっていることが明らかになった。一方で、救急外来の利用は増加しており、受療行動の構造的変化が生じている可能性が示唆された。

本研究は、パンデミック前、パンデミック期、そして収束後という3時点を比較し、症状が出た際にどのように医療を利用するかを明らかにしたもの。対象は全国約3,000人の成人で、2021年(パンデミック期)と2024年(収束後)のデータを比較した。

解析の結果、診療所受診は2021年の月間1,000人あたり113件から2024年には165件に増加したが、2013年(パンデミック前)の265件と比べると62.2%にとどまった。同様に、一般病院受診も71.7%にとどまり、全体の外来受診は64.0%の水準にとどまった。一方、救急外来の利用はパンデミック期の月間2件から10件に増加し、2013年を上回る結果となった。

年齢層・性別・所得・学歴・慢性疾患の有無による分析では、若年層、女性、高所得層、慢性疾患を持たない層で診療所受診の回復が特に遅い傾向を示した。研究チームは、感染への不安、軽症時の自己判断、OTC薬の利用拡大などが背景要因として考えられると指摘している。

研究は「Ecology of Medical Careモデル」を用い、日常的な医療利用構造を可視化。パンデミック後の日本における受療行動の定量的変化を初めて明らかにした。本成果は、プライマリ・ケアの再構築や医療アクセス確保に向けた政策検討の科学的基盤となることが期待される。

  • 研究機関→ 東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 臨床疫学研究部
  • 研究代表者→ 青木拓也氏(准教授)、松島雅人氏(教授)
  • 発表日→ 2025年10月31日
  • 発表誌→ Journal of General and Family Medicine(2025年10月30日掲載)
  • 研究対象→ 全国約3,000人(NUCS 2021・2024データ)
  • 主要結果→ パンデミック前の外来受診水準に回復せず、約6割にとどまる。
  • DOI→ 10.1002/jgf2.70080
AIによる情報のインパクト評価(参考):

★★★★★

短評:アフターコロナ時代の「医療アクセス格差」を定量的に可視化した画期的研究。診療所受診の低下と救急外来の増加という二極化傾向を明確に示し、今後の医療政策・地域医療体制の再設計に重要な指針を提供する。

🌍 English Summary

Note: AI-assisted translation for clarity beyond standard auto-translation.

  • A nationwide study by The Jikei University School of Medicine revealed that outpatient visits in Japan recovered to only about 60% of pre-pandemic levels, even after COVID-19 subsided.
  • Emergency department use increased beyond pre-pandemic rates, suggesting structural changes in healthcare-seeking behavior.
  • These findings highlight persistent access disparities and the need to redesign primary care and healthcare delivery systems in the post-pandemic era.


🇨🇳中文摘要

注:以下内容为人工智能辅助生成,仅供参考。

  • 东京慈惠医科大学的研究显示,新冠疫情结束后,日本的门诊就诊率仅恢复到疫情前的约60%。
  • 与此同时,急诊科的利用率超过疫情前水平,表明医疗就诊行为发生了结构性变化。
  • 研究指出,医疗获取的不平等仍在持续,需重构基层医疗与公共卫生体系。


🇮🇳हिन्दी सारांश

ध्यान दें: यह अनुवाद केवल संदर्भ के लिए है।

  • टोक्यो जिकेई मेडिकल यूनिवर्सिटी के शोध में पाया गया कि कोविड-19 महामारी समाप्त होने के बाद भी जापान में बाह्य रोगी परामर्श महामारी से पहले के केवल लगभग 60% तक ही पुनःस्थापित हुआ।
  • आपातकालीन विभाग का उपयोग महामारी से पहले की तुलना में बढ़ गया, जो स्वास्थ्य सेवाओं के उपयोग के व्यवहार में संरचनात्मक परिवर्तन का संकेत देता है।
  • यह अध्ययन दर्शाता है कि महामारी के बाद स्वास्थ्य सेवा तक पहुंच में असमानताएँ बनी हुई हैं, जिसके लिए प्राथमिक देखभाल प्रणाली के पुनर्गठन की आवश्यकता है।


参考文献

東京慈恵会医科大学「新型コロナ収束後も外来受診は回復せず パンデミック前の約6割に」

プレスリリース



Aoki T, Matsushima M. (2025). Lingering Effects on the Ecology of Medical Care After the COVID-19 Pandemic: A Nationwide Repeated Cross-Sectional Study in Japan. Journal of General and Family Medicine. DOI: 10.1002/jgf2.70080

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