急性リンパ球性白血病の13q12.2欠失はFLT3の活性化をエンハンサーの乗っ取りを通して引き起こしているとの報告。
FLT3(FMS様チロシンキナーゼ3)遺伝子の13q12.2変異は、急性白血病の主要な原因となっている。細胞の増殖と生存が、ホスファチジルイノシトール3キナーゼ(PI3キナーゼ)/AKT、RAS/MAPK、STAT5シグナルパスウェイの活性化によって起こる。
研究グループは、前駆B細胞(BCP)急性リンパ球性白血病(ALL)において、体細胞のヘミ接合型の13q12.2微小欠失がどのような影響を及ぼすかを検証。
結果として、この欠失が関連するエンハンサー乗っ取りにつながり、これによりFLT3発現を促し、シグナル活性化を経てリンパ球の増殖につながると考えられた。FLT3が前駆B細胞ALLのドライバー遺伝子になると考えられた。
2020年8月スウェーデン、フランス、チェコ研究。
Yang M, Safavi S, Woodward EL, et al. 13q12.2 deletions in acute lymphoblastic leukemia lead to upregulation of FLT3 through enhancer hijacking. Blood. 2020;136(8):946-956. doi:10.1182/blood.2019004684