サノフィ社は23年1月30日、デュピルマブ(商品名デュピクセント)が従来の薬物療法で十分な効果が得られない、あるいは忍容性の低い成人および青年期の好酸球性食道炎(EoE)に対する欧州委員会(EC)に承認されたと発表した。これは最初で唯一の標的医薬品という。

EoEは、食道を損傷し、正常に機能しなくなる慢性かつ進行性の炎症性疾患です。デュピルマブ300 mgを週1回投与した12歳以上の約60%が組織学的に寛解し、嚥下能力もプラセボに比べ有意に改善された。

今回の承認により、デュピルマブは欧州において、2型炎症を基礎疾患とする5つの疾患を治療できるようになったと説明している。アトピー性皮膚炎、喘息、鼻茸を伴う慢性鼻副鼻腔炎(CRSwNP)、結節性痒疹、好酸球性食道炎(EoE)が適応症である。

タイプ2炎症は、IL-4、IL-5、IL-13を分泌するTh2細胞として知られるCD4+T細胞が関与する炎症。免疫調節障害や上皮バリア機能障害に寄与し、アレルギー性喘息、湿疹、鼻副鼻腔炎などと関連しする。ヒスタミンなどのアレルギー性メディエーターを産生するマスト細胞を活性化することもある。

Dupixent® (dupilumab) approved by European Commission as the first and only targeted medicine indicated for eosinophilic esophagitis
https://www.sanofi.com/en/media-room/press-releases/2023/2023-01-30-06-00-00-2597236

Dupixent® (dupilumab) recommended for expanded EU approval by the CHMP to treat children as young as six months old with severe atopic dermatitis
https://www.sanofi.com/en/media-room/press-releases/2023/2023-01-27-06-00-00-2596599#:~:text=These%20diseases%20include%20approved%20indications,(EoE)%20in%20the%20EU.

Dupixent® (dupilumab) recommended for EU approval by the CHMP for the treatment of prurigo nodularis
https://www.sanofi.com/en/media-room/press-releases/2023/2023-01-27-06-00-00-2596599#:~:text=These%20diseases%20include%20approved%20indications,(EoE)%20in%20the%20EU.

Ann Am Thorac Soc. 2015 Nov; 12(Suppl 2): S144–S149. doi: 10.1513/AnnalsATS.201506-377AW
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5467082/

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執筆/編集/審査監修/AI担当

星 良孝(ほし・よしたか)
ステラ・メディックス代表/ 獣医師 ジャーナリスト。日経BP、エムスリーなどに所属し、医療や健康、バイオなどの分野を取材。

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