アムジェン社とアストラゼネカ社は2023年2月2日、テゼペルマブ-エッコ(商品名テゼスパイア)について、12歳以上の重症喘息を患う人を対象として、あらかじめ充填した単回使用ペンで自己投与する治療が米国食品医薬品局(FDA)より承認されたと発表した。

プレスリリースの要点は次の通り。

同薬は気道の重要な分子をブロックするユニークなヒト抗体で、肺の炎症を止める機能を持つ薬である。具体的には、気道上皮の重要なサイトカイン「TSLP」という物質を狙ってブロックしており、この機能を持つ薬の中では初めての薬になる。

FDAは2021年10月、承認に優遇措置を認める「オーファンドラッグ指定」をしている。この薬は炎症を根本的に止めることにより、重症喘息患者を治療するものだが、慢性閉塞性肺疾患、鼻ポリープを伴う慢性鼻副鼻腔炎、慢性自然じんま疹、好酸球性食道炎(EoE)など他の疾患を持つ人々にも役立つかどうか、まだ研究中である。

今回の承認により、治療を受ける人が自宅での投与と診察室での投与のいずれかを選択することが可能になる。テゼペルマブ-エッコは、重症喘息に対して承認された生物学的製剤の中で唯一、病気の特徴や検査の値(表現型やバイオマーカー)の制約がなく使える薬剤である。同薬は欧州連合でも承認され、他の数カ国でも規制当局による審査を受けている。

主な副作用は、咽頭炎、関節痛、背部痛。

以上が要約になる。

喘息治療の目標は炎症を抑えることだが、これは複雑なプロセスである。しかし、炎症の仕組みが解明されるにつれて、喘息の治療法も変わっている。喘息の症状を抑えるのに有効な炎症が起こるプロセスを理解することで、製薬会社は喘息の治療に効果的な薬を開発することができている。

デュピルマブ(同デュピクセント)、ベンラリズマブ(同ファセンラ)、メポリズマブ(同ヌーカラ)、オマリズマブ(同ゾレア)、レスリズマブ(同Cinqair)など、同じように喘息の炎症を抑える働きをする薬がいくつかある。それぞれの薬剤の作用に多少の違いはあるが、全体的な目的は炎症を細かく抑制することであり、喘息の症状をコントロールしやすくすることである。

喘息は日常的に発作を起こし、人々の生活に悪影響を及ぼすことがあり、その治療も長期にわたる。そのため、治療を容易にするために、自宅で投与できる効果的な薬を用意することが重要だ。今回のように自己注射ができる薬は、治療のたびに医療機関を訪れることなく、喘息の症状を管理できるため、受け入れられやすいと考えられる。

参考文献

TEZSPIRE® APPROVED FOR SELF-ADMINISTRATION IN THE U.S. WITH A NEW PRE-FILLED PEN
https://www.amgen.com/newsroom/press-releases/2023/02/tezspire-approved-for-self-administration-in-the-u-s–with-a-new-pre-filled-pen

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星 良孝(ほし・よしたか)
ステラ・メディックス代表/ 獣医師 ジャーナリスト。日経BP、エムスリーなどに所属し、医療や健康、バイオなどの分野を取材。

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