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慶應義塾大学、東京大学、東京科学大学の研究グループは、転移性尿路上皮がんに対する免疫チェックポイント阻害薬に対する耐性の原因となる「悪性サブクローン」の存在を解明したと発表した。本研究は、PD-1阻害薬による治療効果が異なる腫瘍部位を対象に、全ゲノムおよびエクソーム解析、空間トランスクリプトミクス、単一細胞解析などを用いて、悪性度の高いサブクローンが独自の免疫抑制環境を構築していることを明らかにしたものである。
- 発表元→慶應義塾大学、東京大学、東京科学大学
- 発表日→2025年9月1日
- 研究の目的→免疫チェックポイント阻害薬に耐性を示す原因となるサブクローンの特定と、腫瘍微小環境との関係解明
- 対象疾患→転移性尿路上皮がん
- 使用薬剤→ペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ)
- 主な解析手法→全ゲノムシーケンス、全エクソームシーケンス、RNAシーケンス、空間トランスクリプトミクス、単一細胞解析
- 主な発見→悪性サブクローン#12と#14が免疫抑制環境を構築し、治療耐性を誘導
- サブクローン#12→がん幹細胞性の特徴、M2マクロファージの浸潤が多い
- サブクローン#14→細胞増殖能が高く、細胞障害性T細胞の疲弊が確認された
- 研究の意義→「悪いリンゴ」概念に基づくがん治療戦略の構築に貢献
- 掲載誌→Nature Communications(2025年8月27日オンライン掲載)
- DOI→https://doi.org/10.1038/s41467-025-63309-1
AIによる情報のインパクト評価(あくまで参考として受け取ってください)
★★★★☆(★4つで2番目の評価)
