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AstraZenecaは、第3相試験FLAURA2の中間結果で、オシメルチニブと化学療法の併用療法が、局所進行または転移性のEGFR変異を伴うNSCLC患者での疾患進行後の結果において、臨床的に意味のある一貫した有益性を示したことを発表した。具体的には、OS改善に向けた好ましい傾向が見られる。この結果は、一次エンドポイントであるPFSの統計学的に有意な改善を示した初期データに続くもので、二次エンドポイントにおいても一貫した有益性が示されている。これらの結果は、チェコ共和国プラハで開催された2024年欧州肺がん会議(ELCC)で発表された。
- 発表元→AstraZeneca
- 発表日→2024年3月21日
- 研究の目的→局所進行または転移性EGFR変異を伴うNSCLCにおけるオシメルチニブと化学療法の併用治療の効果評価
- 臨床試験→第3相試験FLAURA2は、局所進行(ステージIIIB-IIIC)または転移性(ステージIV)EGFR変異を伴うNSCLC患者を対象としたランダム化、オープンラベル、多施設、グローバル試験である
- 中間結果のデータ成熟度→41%
- 全生存期間(OS)の中間結果→オシメルチニブと化学療法の併用群で好ましい傾向が示された(ハザード比[HR] 0.75; 95%信頼区間[CI] 0.57-0.97)
- あらかじめ定義されたサブグループにおける一貫した結果→性別、人種、EGFR変異の型、診断時の年齢、喫煙歴、パフォーマンスステータス、ベースライン時の中枢神経系(CNS)転移状態を含む。一次エンドポイントはPFS。試験は継続中で、二次エンドポイント解析まで続けられる。
- OSデータの統計学的有意性→この中間解析では統計学的に有意ではなかったが、最終解析での重要な二次エンドポイントとして評価が続けられる
- 進行後の結果における一貫した有益性→最初の後続治療までの時間(TFST; HR 0.73; 95% CI 0.56-0.94)、2次治療における進行までの時間(PFS2; HR 0.70; 95% CI 0.52-0.93)、第2の後続治療までの時間(TSST; HR 0.69; 95% CI 0.51-0.93)で一貫した有益性を示した
- 第二中間解析のOS→中央値 OS:オシメルチニブと化学療法の併用群ではNR(未到達)(38.0 – NC)、オシメルチニブ単独治療グループでは36.7カ月(33.2 – NC)
- データカットオフ日→第二中間解析のOSのデータカットオフ日は2024年1月8日
- NC(Not calculable – 計算不可能)→信頼区間の一部が計算不可能であることを示す
- NR(Not reached – 未到達)→分析時点で中央値OSがまだ到達していないことを示す。これは、追跡期間内に十分な数のイベント(この場合は死亡)が発生していないことを意味し、治療群が比較的長い生存期間を示している可能性がある
- 解釈のポイント→ハザード比(HR)が0.75であり、95%信頼区間が0.57から0.97となっていることから、オシメルチニブと化学療法の併用治療がモノセラピーグループと比較してOSを改善する可能性があることを示唆。信頼区間が1を下回り、この効果は統計学的な有意差を示すが、中間解析のためOS中央値は計算不可能で、最終的な結論を下すにはさらなるデータが必要である