STELLANEWS.LIFE(ステラニュース・ライフ)は、医薬品分野における最新の研究成果や情報を提供することに特化したメディア。最新の研究データや臨床試験の進展など、科学的な根拠に基づいた情報を読者に届けることを目指している。今回の記事では、多発性骨髄腫(MM)患者に対する新たな治療法の可能性について紹介する。
リンボセルタマブは、既に多くの治療を受けたMM患者を対象にした臨床試験LINKER-MM1の結果が2024年のAACR年次総会で発表された。この研究では、リンボセルタマブがB細胞成熟抗原(BCMA)を標的とし、CD3を発現するT細胞を活性化してがん細胞を攻撃する二重特異性抗体であることが示されている。試験では、71%の患者が客観的奏功率(ORR)を示し、46%が完全奏功率(CR)を達成、62%が非常に良好な部分奏功率(VGPR)を記録した。奏効期間(DoR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)の中央値は未到達で、93%の患者が微小残存病変陰性(MRD陰性)であったと報告されている。
- 発表元→Regeneron Pharmaceuticals
- 発表日→2024年4月7日
- 研究の目的→再発または難治性MMの治療
- 臨床試験→第1/2相試験LINKER-MM1に基づく。この研究では、リンボセルタマブの治療が早期に反応を示し、忍容性を示し、時間の経過とともに効果が高まることが確認された
- ORR→71%の患者が反応を示した
- CR→46%の患者がCR以上の反応を達成
- VGPR→62%の患者がVGPR以上の反応を達成
- 治療反応までの中央値→1カ月
- 奏効した場合、VGPR以上までの中央値→3カ月
- 奏効した場合、CR以上までの中央値→8カ月
- MRD陰性率→93%の患者(評価可能な27人中25人)がMRD陰性と評価
- 治療の重要性→承認されれば、複数治療歴のある多発性骨髄腫患者に新たな治療オプションを提供する