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BiogenとIonis Pharmaceuticalsは、ALSの治療を目的としたBIIB105(ION541)というアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)の開発を中止することを発表した。これは第1/2相試験ALSpireの結果を受けたものである。BIIB105は、アタキシン-2(ATXN2)タンパク質の発現を抑制することを目的として設計され、試験では脳脊髄液中のATXN2タンパク質の統計学的有意な減少が確認された。しかし、血漿中のNfLレベルの減少は見られず、臨床的な機能、呼吸、筋力の指標にも影響がなかった。
- 発表元→Biogen、Ionis Pharmaceuticals
- 発表日→2024年5月16日
- 研究の背景→ALSは進行性で致命的な神経変性疾患であり、効果的な治療法の開発が急務である
- 試験の手法→第1/2相試験ALSpireは、ランダム化、プラセボ対照、用量漸増試験であり、成人ALS患者99人を対象とした
- 試験の結果→BIIB105はATXN2タンパク質の減少を示したが、NfLレベルや臨床的なアウトカムに影響はなかった
- 副作用→BIIB105治療群での一般的な副作用は、処置時の痛み、頭痛、転倒であった。治験中止に至る副作用は、BIIB105群で8.3%、プラセボ群で3.6%であった