- ヤマアラシの棘による犬の気胸に関する研究が発表された→2001年から2022年にかけての25例の症例をまとめる。
- 目的→ヤマアラシとの遭遇後に気胸を発症した犬の臨床結果を記述。
- 対象→ニューイングランドの2つの診療所で飼われている25匹の犬。
- 特徴→気胸が発生したのは冬月ではなく、大型犬または大型の雑種犬が多い。呼吸困難や頻呼吸などの臨床症状が見られた。
- 診断と治療→診断画像は気胸を特定するのに役立つが、棘の位置を特定できない。25匹中21匹が胸骨切開手術を受け、19匹から肺組織内の棘が見つかる。2匹では胸腔内には見つからず、胸郭の筋肉内に棘が見つかる。4匹は自然解決し、手術なしで退院。全犬が退院を生き延びるが、5匹は追加の棘除去が必要に。
- 結論→ヤマアラシの棘による気胸は外傷性気胸であり、棘の除去後の気胸発展を監視することが勧められる。肺からの棘の外科的除去は良好な予後が期待できる。
- 意義→ヤマアラシの棘による気胸は比較的まれであるが、手術管理は良好な結果をもたらす。ヤマアラシが生息する地域の犬は放浪を防ぎ、棘による事故が発生した場合、飼い主と獣医師は密接に監視し、気胸や棘の移動の可能性を認識する必要がある。
参考文献
Sevy JJ, Gottlieb L, Vaught M, Rozanski E. Porcupine quilling-associated pneumothorax in dogs: 25 cases (2001-2022). J Am Vet Med Assoc. 2023 Jan 25;261(4):505-509. doi: 10.2460/javma.22.10.0451. PMID: 36701222.
https://avmajournals.avma.org/view/journals/javma/261/4/javma.22.10.0451.xml
