ワクチンの信頼に真剣に向きあうよう求める論評。
従来、ワクチンの安全性は臨床試験で検証され安全性は示されても一般の不安を解消するに至らなかったこともあると指摘。デング熱のワクチンが感染を悪化させる事例があり、安全性に懸念が生じたことはあるがそれはまれであると説明。ただし、一般的ではない有害事象が遅れて生じたり、試験で除外された条件で起こったりすることもあり、承認後の研究は重要と強調。ワクチン接種後の有害事象は幅広い原因も踏まえた検証が必要と指摘する。
新型コロナウイルス感染症のワクチン接種を広げる中でも、積極的な安全性の研究、コミュニケーション戦略が重要と説明。放置してはワクチンが行きわたらなくなるとも指摘する。安全性とコミュニケーションのインフラへの投資を怠るべきではないとしている。
2020年9月米国。
Salmon DA, Dudley MZ. It is time to get serious about vaccine confidence [published online ahead of print, 2020 Sep 10]. Lancet. 2020;S0140-6736(20)31603-2. doi:10.1016/S0140-6736(20)31603-2
