適応外医薬品プロモーションに起因する医師の誤解を解決するためのエビデンスコンテクスト提供を検証した無作為化研究が報告されている。裁判所の判決によって、米国食品医薬品局(FDA)の規則が未承認用途の処方薬の販売促進を制限していることに疑問を投げかけていると指摘。適応外使用の主張を支持するデータについてのフォーマルな開示、より記述的なエビデンスコンテクストを提供することが、薬効に関する医師の信念にどのような影響を与えたかを評価。

適応外の主張をしているウェブサイトから、承認された適応症(重度の高トリグリセリド血症)、適応外の主張+形式的な免責事項(LDL目標値に到達したが中等度の高トリグリセリド血症が持く場合のスタチンのアドオンとしての使用に関する示唆的ではあるが決定的ではないエビデンス)、適応外クレーム+エビデンスコンテクスト(例えば、他のトリグリセリド低下薬の心血管系への有用性を実証できなかった3つの試験の報告)という3つのシナリオのうち1つをランダムに提供。

調査対象の回答者686人(回答率48%)のうち、29%がメーカーからイコサペント酸エチル(Vascepa)に関する適応外情報(スタチンのアドオンとしての使用)を受け取ったと報告。16%が適応外処方を行っていたと説明。適応外情報を受け取った医師では、適応外処方が5倍高かった。

適用外使用を指示する医師は、承認された適応症の情報を受けた場合と適用外の主張+免責事項の情報を受け取った場合との間では同様(35%対37%)となった。エビデンスコンテキストシナリオを受け取った人では大幅に低くなった(21%)。

エビデンスコンテキストで、根拠に対する理解を深めると、適用外使用への考え方が冷静になるという結果に。

2019年10月、米国研究。

Sullivan HW, O’Donoghue AC, Lynch M, Johnson M, Davis C, Rupert DJ. The Effect of Including Quantitative Information on Multiple Endpoints in Direct-to-Consumer Prescription Drug Television Advertisements. Med Decis Making. 2019 Nov;39(8):975-985. doi: 10.1177/0272989X19875946. Epub 2019 Oct 4. PMID: 31583947; PMCID: PMC7289316.

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執筆/編集/審査監修/AI担当

星 良孝(ほし・よしたか)
ステラ・メディックス代表/ 獣医師 ジャーナリスト。日経BP、エムスリーなどに所属し、医療や健康、バイオなどの分野を取材。

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