中高年層のゲーム体験を向上させるモバイルゲームデザインガイドの研究が報告されている。モバイルゲームをプレイする高齢者ゲーマーの数は世界的に増加。先行研究では、デジタルゲームが高齢者の認知的、身体的、社会的感情的なメリットをもたらすと報告されているとする。高齢者のゲームプレイ経験を理解し、ニーズを反映した現在のモバイルゲームは非常に少ないとする。高齢者のゲーム体験を全体的に分析した研究もまれ。ホリスティックなゲーム体験の観点から、50歳以上の高齢者向けのモバイルゲームのデザインガイドラインを提案するとする。人間中心のアプローチを採用し、中高年のゲーム体験を分析。アクセシビリティと満足度を高めるための実践的なデザインガイドを提案するとしている。「Intergenerational Play Workshop」と呼ばれるリビングラボラトリープロジェクトを開催。40人の中高年者(平均年齢66.75歳、年齢幅50~85歳)が、若年層のパートナーとモバイルゲームを1カ月間プレイ。ポジティブな体験とネガティブな体験のテーマに基づき、3つのカテゴリーで45のデザインガイドを提案。
- 認知的・物理的要素
- 心理的・社会的感情的要素
- 消費の文脈的要素
ゲームデザインを改善するための新たな指針を提供することができたとする。最終的なガイドラインをゲームデザイナーに提示することで、関連情報を容易に見つけることができ、中高年のゲーム体験に関する全体的な理解を深められるとする。
2021年5月、韓国研究。
Lee S, Oh H, Shi CK, Doh YY. Mobile Game Design Guide to Improve Gaming Experience for the Middle-Aged and Older Adult Population: User-Centered Design Approach. JMIR Serious Games. 2021 May 20;9(2):e24449. doi: 10.2196/24449. PMID: 34014175; PMCID: PMC8176340.