新しい臓器の可能性、放射線治療のリスクがある管状唾液腺を報告している。

これまで気付かれていなかった肉眼で確認可能な両側唾液腺の存在を疑い、未知の存在について特徴を放射線治療への臨床的意義も含めて検証している。

まず、前立腺がんまたは尿道腺がん患者(n=100)を連続して画像診断したレトロスペクティブコホートで、PSMA(前立腺特異的膜抗原)陽性領域の存在と構成を評価。その上で形態学的および組織学的特性はヒトの死体研究(n=2)で評価した。

さらに、頭頸部がん患者のコホート(n=723)からプロスペクティブに収集した臨床データを用い、唾液分泌および嚥下に対する放射線療法の影響をレトロスペクティブに調査。放射線治療線量と口腔乾燥または嚥下障害との関連について分析した。

100人の患者全員に境界のある両側のPSMA陽性部位(平均長さ4cm)を確認。さらに、組織学と3D再構成により、PSMAを発現する粘液腺の存在を確認。主に結節部付近に複数の排出管を有する粘液腺を確認した。

頭頸部がん患者において、腺領域への平均放射線治療線量は、12カ月後の医師評価による治療後の口腔乾燥および嚥下障害(グレード2以上)と有意に関連。24カ月後の追跡調査でも同様の結果を得た。

研究グループは、人体には見落とされていた、臨床的に関連性のある肉眼で確認可能な唾液腺のペアが含まれているとまとめている。唾液腺の一つである管状腺(tubarial gland)という名前を提案。放射線治療を受けている患者のこれらの腺を考慮することで、生活の質を向上させる機会を提供する可能性があると指摘する。

2020年9月オランダ研究。

Valstar MH, de Bakker BS, Steenbakkers RJHM, de Jong KH, Smit LA, Klein Nulent TJW, van Es RJJ, Hofland I, de Keizer B, Jasperse B, Balm AJM, van der Schaaf A, Langendijk JA, Smeele LE, Vogel WV. The tubarial salivary glands: A potential new organ at risk for radiotherapy. Radiother Oncol. 2020 Sep 23:S0167-8140(20)30809-4. doi: 10.1016/j.radonc.2020.09.034. Epub ahead of print. PMID: 32976871.

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執筆/編集/審査監修/AI担当

星 良孝(ほし・よしたか)
ステラ・メディックス代表/ 獣医師 ジャーナリスト。日経BP、エムスリーなどに所属し、医療や健康、バイオなどの分野を取材。

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