放射線の感受性を高めるPI3K、AKT、mTOR阻害の使用についての総説。
放射線療法のがん治療での効果は、化学療法の有無によって変わる。PI3K、AKT、mTORのシグナル経路が活性化すると、放射線抵抗性が出現。
DNA二重鎖切断の修復や細胞増殖を阻害したり、アポトーシスを促進したり、微小環境を変化させたりすることは、放射線への感受性上昇の背景となる。
PI3K/mTORの阻害や、すべてのタイプのがん細胞の放射線感受性を引き上げ、PI3K、AKT、mTORの阻害は前臨床試験で放射線感受性を高めると示されている。
研究グループはPI3K/mTOR二重阻害に焦点を絞った研究を推奨。今後、早期の臨床試験による脳、肺、頭頸部、乳房、前立腺、直腸での検証を求める。
2020年5月英国総説。
Wanigasooriya K, Tyler R, Barros-Silva JD, Sinha Y, Ismail T, Beggs AD. Radiosensitising Cancer Using Phosphatidylinositol-3-Kinase (PI3K), Protein Kinase B (AKT) or Mammalian Target of Rapamycin (mTOR) Inhibitors. Cancers (Basel). 2020;12(5):1278. Published 2020 May 18. doi:10.3390/cancers12051278