糖尿病につながる意外なタンパク質の新しい役割を特定。

全身に一般的に存在しているあるタンパク質が血糖値をコントールするために重要な役割を果たしていると発見。そのタンパク質はCNOT3(CCR4-NOT transcription complex subunit 3)と呼ばれるもので、インスリンを作り出す細胞の機能をないものとしてしまう。

動物実験によりCNOT3をなくすると、マウスは血糖値が上昇し、インスリンを作り出すβ細胞は正常に機能できなくなる。これはmRNAの脱アデニル化が起こらなくなり、mRNAが安定化するため。研究グループは驚くべきタンパク質の関与と見る。

研究グループは正常なβ細胞を支配する分子メカニズムの理解を進めて、予防や治療にも貢献すると指摘する。

2020年8月日本研究。日本は沖縄科学技術大学院大学。

Mostafa, D., Yanagiya, A., Georgiadou, E. et al. Loss of β-cell identity and diabetic phenotype in mice caused by disruption of CNOT3-dependent mRNA deadenylation. Commun Biol 3, 476 (2020). https://doi.org/10.1038/s42003-020-01201-y

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星 良孝(ほし・よしたか)
ステラ・メディックス代表/ 獣医師 ジャーナリスト。日経BP、エムスリーなどに所属し、医療や健康、バイオなどの分野を取材。

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