ロンドン大学衛生熱帯医学大学院やヤンセン社などが参加するEBL3001試験グループは2022年1月にLancet Infectious Diseases誌で、エボラウイルス糖タンパクをコードするアデノウイルスワクチン(Ad26.ZEBOV)、およびエボラウイルス、スーダンウイルス、マールブルグウイルス由来の糖タンパクおよびタイ森林ウイルス由来の核タンパクをコードする修正ワクシニア・アンカラベクターワクチン(MVA-BN-Filo)からなる2用量異種混合ワクチンレジメンの安全性と長期免疫原性を成人を対象に評価した結果を報告した。

論文からの要点をまとめると次のようになる。

同試験は、非無作為化の第1段階と無作為化二重盲検比較の第2段階から構成されている。2015年9月30日から2016年10月19日の間に、合計443名の参加者が登録された。主要評価項目はワクチンの安全性で、副次的評価項目はエボラウイルス糖タンパク質特異的結合抗体反応の評価。

結果として、いずれのワクチンレジメンも忍容性が高く、安全性に関する懸念もないことが示された。

以上のように、ワクチンの最初の検証が無事に終わった形になる。

今後、さらに有効性や安全性が多数の人を対象として続くことになる。フィロウイルスに属するウイルス感染症はアフリカで問題になっている。アフリカで感染が広がっても、最近では、サル痘に見られるように国際的に感染が広がることもある。ワクチンの問題は、アフリカだけではなく、国際的な問題と言えるのだろう。今後、ワクチン開発が進むことで、感染症への対処が前進すると想定される。

参考文献

Ishola D, Manno D, Afolabi MO, Keshinro B, Bockstal V, Rogers B, Owusu-Kyei K, Serry-Bangura A, Swaray I, Lowe B, Kowuor D, Baiden F, Mooney T, Smout E, Köhn B, Otieno GT, Jusu M, Foster J, Samai M, Deen GF, Larson H, Lees S, Goldstein N, Gallagher KE, Gaddah A, Heerwegh D, Callendret B, Luhn K, Robinson C, Leyssen M, Greenwood B, Douoguih M, Leigh B, Watson-Jones D; EBL3001 study group. Safety and long-term immunogenicity of the two-dose heterologous Ad26.ZEBOV and MVA-BN-Filo Ebola vaccine regimen in adults in Sierra Leone: a combined open-label, non-randomised stage 1, and a randomised, double-blind, controlled stage 2 trial. Lancet Infect Dis. 2022 Jan;22(1):97-109. doi: 10.1016/S1473-3099(21)00125-0. Epub 2021 Sep 13. PMID: 34529963; PMCID: PMC7613326.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34529963/

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執筆/編集/審査監修/AI担当

星 良孝(ほし・よしたか)
ステラ・メディックス代表/ 獣医師 ジャーナリスト。日経BP、エムスリーなどに所属し、医療や健康、バイオなどの分野を取材。

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