韓国のサムソン医療センターなどが参加する国際研究グループが2022年9月、Review Rev Med Virolで呼吸器ウイルス感染症に対する個人防護具として、N95、サージカルマスク、および非医療用フェイスマスクの有効性を比較したシステマティックレビューおよびネットワークメタ解析の結果を発表した。

その論文から要点をまとめると次のようになるだろう。

解析対象は、インフルエンザウイルス、コロナウイルス感染症(SARS-CoV、MERS-CoV、SARS-CoV-2)に対する特定のマスクの有効性を調査した35件の公開および未公開の無作為化対照試験と観察研究だった。関心のある主要アウトカムは、呼吸器系ウイルス感染率。

結果として、マスク着用への高いコンプライアンスは、低いコンプライアンスよりも有意に優れた保護をもたらすことが明らかになった。N95または同等のマスクは、原因ウイルスや臨床環境のサブグループ分析において一貫して、コロナウイルス感染に対する防御に最も効果的だった。インフルエンザやコロナウイルス感染症に対するサージカルマスク使用の有効性を支持する証拠は弱かった。

同研究では、フェイスマスクの使用は一般的に呼吸器系ウイルス感染症に対する予防効果をもたらすが、その効果は使用するフェイスマスクの種類によって異なる可能性があることを確認した。

同研究は、地域環境という条件下で、マスクの種類別にその効果を比べたエビデンスが大幅に不足していることを強調した。

以上が、今回の論文で報告された内容になる。

日本でもコロナウイルス流行に伴うマスクの着用が緩和される方向にあり、マスク着用の意義についてはこれまでも注目されてきたが、今後もマスク着用を継続する人もいると見られ、その意義についての関心は継続的にあると考えられる。海外でも、マスク着用があまり見られないと指摘されるが、あらためて着用を求めるような動きもあった。

また、コロナに限らず、今回の研究であったように、インフルエンザを含めたウイルス感染症は多数存在しており、その予防の観点からもマスクは注目されるところだろう。今回の研究では、マスクの意義についての根拠がまだ乏しいということだったが、マスクの有効性を報告した論文はこれまでにも多数存在していた。今後、研究は継続するとみられ、国際的にも話題になることはこれからもあるのだろう。

参考文献

Kim MS, Seong D, Li H, Chung SK, Park Y, Lee M, Lee SW, Yon DK, Kim JH, Lee KH, Solmi M, Dragioti E, Koyanagi A, Jacob L, Kronbichler A, Tizaoui K, Cargnin S, Terrazzino S, Hong SH, Abou Ghayda R, Radua J, Oh H, Kostev K, Ogino S, Lee IM, Giovannucci E, Barnett Y, Butler L, McDermott D, Ilie PC, Shin JI, Smith L. Comparative effectiveness of N95, surgical or medical, and non-medical facemasks in protection against respiratory virus infection: A systematic review and network meta-analysis. Rev Med Virol. 2022 Sep;32(5):e2336. doi: 10.1002/rmv.2336. Epub 2022 Feb 26. PMID: 35218279; PMCID: PMC9111143.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35218279/

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執筆/編集/審査監修/AI担当

星 良孝(ほし・よしたか)
ステラ・メディックス代表/ 獣医師 ジャーナリスト。日経BP、エムスリーなどに所属し、医療や健康、バイオなどの分野を取材。

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