ブリストルマイヤーズスクイブ社は、第3相CheckMate-274試験の3年間の追跡結果を発表した。

この研究により、筋層にまで腫瘍が広がり再発のリスクが高い、膀胱や腎臓などの尿路上皮にできたがんを取り除く手術を受けた人に対して、ニボルマブ(商品名オプジーボ)という薬が有効であると確認された。

ニボルマブは、医師が多くの種類のがんの治療に使っている薬である。これは、体内の防御システムががん細胞と戦い、がんを殺すのを助ける薬の一種で、免疫チェックポイント阻害薬と呼ばれる薬の一つだ。がん細胞は免疫システムから隠れるために免疫細胞が持っている「PD-1」と呼ばれるタンパク質を使っているが、これをブロックすることで免疫が働きやすくなるように変化させることができる。

がんの手術をした後に薬を使った治療を行うことで、手術の効果を高めようという目的で行う治療を、アジュバント療法と言う。今回の報告は、アジュバント療法としてのニボルマブの効果を確かめた研究で、ニボルマブを使うことによる効果は長期間続き、健康にとって重要なものだと認められた。

プレスリリースから研究内容を読み取ると次のようになる。

がんを取り切る手術を受けた後にニボルマブを投与された場合は、プラセボを投与された場合に比べて2倍以上の期間、無病状態を保つことが確認された。がんの再発が確認されない無病生存期間中央値は、ニボルマブ投与では22.0カ月、プラセボ投与では10.9カ月となった。無作為化されたすべての人たちで見たとき、病気の再発または死亡のリスクは29%減った。

腫瘍細胞の持っているタンパク質であるPD-L1発現率が1%以上の場合、ニボルマブはプラセボと比べて、疾患が再発せずに生存する期間を6倍以上延長した。

同試験では、無非尿路上皮管再発生存期間、無遠隔転移生存期間、2次治療までの無増悪生存期間というそれぞれの評価項目の改善も確認された。

グレード3~4の治療関連有害事象は、ニボルマブ群で18.2%、プラセボ群で7.2%に発現。主要解析と一致した。

以上がプレスリリースから読み取れる内容である。

他の研究でも、今回の研究のように、手術後にこうしたがんを殺す薬を使うことで、手術による治療がさらに良好に行えることが示されている。手術の後に薬を使って引き続き治療する方法が、がんと闘う人々にとって重要であることをあらためて確認するものと言えそうだ。

参考文献

Adjuvant Opdivo (nivolumab) Continues to Provide Significant, Durable Clinical Benefits for Patients with Radically Resected, High-Risk Muscle-Invasive Urothelial Carcinoma After Three Years in CheckMate -274 Trial
https://investors.bms.com/iframes/press-releases/press-release-details/2023/Adjuvant-Opdivo-nivolumab-Continues-to-Provide-Significant-Durable-Clinical-Benefits-for-Patients-with-Radically-Resected-High-Risk-Muscle-Invasive-Urothelial-Carcinoma-After-Three-Years-in-CheckMate–274-Trial/default.aspx

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執筆/編集/審査監修/AI担当

星 良孝(ほし・よしたか)
ステラ・メディックス代表/ 獣医師 ジャーナリスト。日経BP、エムスリーなどに所属し、医療や健康、バイオなどの分野を取材。

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